「にしうら」からこんにちは
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みたり・きいたり 『主一人』 [

主一人 書き込み帳

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   童謡と唱歌集  50曲 

    
 

     現在92歳の元女の先生が、教え子である私の同級生に贈られた 手書きの 童謡・唱歌集50曲です。
             全文コピーしました。                  平成15年1月 



             目     次

    花    村のかじや    おぼろ月夜    冬げしき    浜辺の歌  

    誰か故郷を想わざる    早春賦    夏はきぬ     雨降りお月さん 

    茶つみ   荒城の月    赤とんぼ     牧場の朝    雨ふり  

    背くらべ   黄金虫    んごのひとりごと     かもめの水兵さん 

    かわいいかくれんぼ     通りゃんせ かごめかごめ   ふじの山

    鯉のぼり    海     冬の夜もみじ     水あそび 鞠と殿さま   

    夕やけ小やけ    仲よし小道    桜井の決別    浦島太郎     野菊   たき火

    お山のお猿    雨     青い目の人形  七つの子     里の秋

    みかんの花咲く丘  俵はごろごろ   ふるさと     出船     浜ちどり  

    月の砂漠 しかられて    琵琶湖周航の歌   船頭小唄    こきりこ節



   

   春のうららの すみだ川   のぼり下りの 舟人が
   かいのしずくも 花と散る   ながめをなにに たとうべき

   水やあけぼの つゆあびて   われにものゆう桜木を
   水や夕ぐれ 手をのべて   われをさしまねく あおざやを

   にしきおりなす ちょうていに   くるればのぼる おぼろ月
   げにいつこくる せんきんの   ながめをなにに たとうべき

   村のかじや

   しばしもやすまず つちうつひびき   とびちる火花よ 走るゆだま
   ふいごの風さえ いきをもつかず   仕事にせいだす 村のかじや

   あるじは名高い はたらきものよ   早起き早ねの やまい知らず
   長年きたえた じまんのうでで   打ち出すすきくわ 心こもる



   おぼろ月夜

   菜の花畠に 入日うすれ   見わたす山の端 かすみふかし
   春風そよ吹く 空をみれば   夕月かかりて にほひ淡し

   里わの火影(ほかげ)も 森の色も   田中の小路を たどる人も
   蛙のなくねも かねの音も   さながらかすめる おぼろ月夜
   


   冬げしき

   さぎりきゅる みなとえの   船に白し あさのしも
   ただ水鳥の 声はして   今ださめず岸の色

   からすなきて 木に高し   人は畑に むぎをふむ
   げに小春日の のどけしや   かえり咲きの 花もみじ

   浜辺の歌

   あした浜辺を さまよえば   昔のことをぞ しのばるる
   風の音よ 雲のさまよ   よする波も かいの色も

   夕べ浜辺を もとおれば   昔のことをぞ しのばるる
   よする波を もとむれば   月の色も星のかげも

   誰か故郷を想わざる

   花つむ野べに 日は落ちて   みんなで肩をくみながら
   唄をうたった 帰へりみち   おさななじみの あの友この友
   ああ 誰か 故郷を思わざる

   一人の姉が とつぐ夜は   小川の岸で さみしさに
   泣いた涙の なつかしさ   おさななじみの あの山あの川
   ああ 誰か 故郷を思わざる

   早春賦

   春は名のみの かぜのさむさや   谷のうぐいす 歌は思へど
   時にあらずと 声も立てず   時にあらずと 声も立てず

   氷とけ去り あしはつのぐむ   さては時ぞと 思うあまねく
   今日もきのうも 雪の空   今日もきのうも 雪の空

   夏はきぬ

   うの花のにおう 垣根に   ほととぎす 早もきなきて
   しのびに もらす 夏はきぬ

   さみだれの そそぐ山田に   さおめが もすそぬらして
   たまなえうえる 夏はきぬ

   雨降りお月さん

   雨降りお月さん 雲のかげ   お嫁にゆくときゃ 誰とゆく
   一人でからかささしてゆく   からかさないときゃ 誰とゆく
   シャンシャラシャンシャン鈴つけた   お馬にゆられて ぬれてゆく

   急がにゃお馬よ 夜があける   手綱のしたから ちょいと見たりゃ
   おそでが夜つゆに ぬれている   おそでがぬれても 干しや乾く
   雨降りお月さん 雲のかげ   お馬にゆられて ぬれてゆく

   茶つみ

   夏も近づく 八十八や   野にも山にも 若葉が茂る
   あれに見えるは 茶つみじゃないか   あかねだすきに菅の笠

   日和つづきの 今日この頃は   心のどかに つみつみ歌う
   つめよつめつめ つまねばならぬ   つまにゃ日本の茶にならぬ

   荒城の月

   春高楼の 花の宴   めぐる盃 かげさして
   千代の松が枝 わけいでし   むかしの光 いまいずこ

   秋陣営の 霜の色   鳴きゆくかりの 数見せて
   ううるつるぎに 照りそいし   むかしの光 いまいずこ

   いま荒城の 夜半の月   かわらぬ光 誰がためぞ
   垣に残るは ただかずら   松に歌うは ただあらし

   天上影は かわらねど   えいこは移る 世の姿
   うつさんとてか 今もなお   ああ荒城の 夜半の月

   赤とんぼ

   夕やけ小やけの 赤とんぼ   負われて見たのは いつの日か
   山の畑の 桑の実を   小かごにつんだは まぼろしか

   十五でねえやは 嫁に雪   お里のたよりも 絶えはてた
   夕やけ小やけの 赤とんぼ    竿の先

   


   牧場の朝

   ただ一面に たちこめた   牧場の朝の きりの海
   ポプラの並木の うっすりと   黒いそこから 勇ましく
   鐘がなるなる カンカンと

   もう起きだした 小舎小舎   あたりに高い 人の声
   きりにつつまれ あちこちに   動くひつじの いくむれの
   鈴がなるなる リンリンと

   いまさしのぼる 日の影に   夢からさめた 森や山
   赤い光に 染められた   遠い野末に 牧童の
   笛がなるなる ピイピイと

   背くらべ

   柱のきずは おととしの   5月5日の 背くらべ
   ちまきたべたべ兄さんが   計ってくれたせいのたけ
   きのうくらべりゃ 何のこと   やっとはおりの紐のたけ

   柱にもたれりゃ すぐ見える   遠いお山も 背くらべ
   雲の上まで 顔だして   てんでに背伸び していても
   雪の帽子を ぬいでさえ   一はやっぱり富士の山

   黄金虫

   こがね虫は 金もちだ   金くらたてた くらたてた
   あめやで水あめ かってきた

   こがね虫は 金もちだ   金くらたてた くらたてた
   子どもに水あめ なめさせた

   雨ふり

   あめあめふれふれ 母さんが   じゃのめでおむかい うれしいな
   ピッチピッチチャップチャップ ランラン

   かけましょ かばんを 母さんの   あとからゆこゆこ かねがなる
   ピッチピッチチャップチャップ ランラン

   あらあらあの子は ずぶぬれだ   やなぎのねかたで 泣いている
   ピッチピッチチャップチャップ ランラン

   かあさん ぼくのを かしましょうか   君君このかささしたまえ
   ピッチピッチチャップチャップ ランラン

   ぼくならいいんだ かあさんの   大きなおかさに はいってく
   ピッチピッチチャップチャップ ランラン

   りんごのひとりごと

   私は真っ赤なりんごです   お国はさむい北の国
   りんご畑の晴れた日に   箱につめられ汽車ぽっぽ
   町の市場につきました   りんごりんごりんご
   りんご可愛いいひとりごと

   くだもの店のおじさんに   お顔をきれいにみがかれて
   みんな並んだお店先   青いお空を見るたびに
   りんご畑を思い出す   りんごりんごりんご
   りんご可愛いいひとりごと

   今頃どうしているかしら   りんご畑のおじいさん
   箱にりんごをつめながら   歌をうたっているかしら
   りんごりんごりんご   りんご可愛いいひとりごと



   かもめの水兵さん

   かもめの水兵さん ならんだ水兵さん
   白い帽子白いシャツ白い服   波にチャプチャプうかんでる

   かもめの水兵さん かけあし水兵さん
   白い帽子白いシャツ白い服   波にチャプチャプうかんでる

   かもめの水兵さん なかよし水兵さん
   白い帽子白いシャツ白い服   波にチャプチャプうかんでる
   


   かわいいかくれんぼ

   ひよこがね
   お庭でぴょこぴょこかくれんぼ   どんなに上手にかくれても
   黄色いあんよが 見えてるよ   だんだんだあれがめっかった

   すずめがね
   お屋根でちょんちょんかくれんぼ   どんなに上手にかくれても
   茶色の帽子が 見えてるよ   だんだんだあれがめっかった

   こいぬがね
   野原でよちよちかくれんぼ   どんなに上手にかくれても
   かわいいしっぽが 見えてるよ   だんだんだあれがめっかった

   通りゃんせ

   通りゃんせ通りゃんせ   ここはどこの細道じゃ
   天神様の細道じゃ   ちょっと通して下しゃんせ
   ご用のないもの 通しゃせぬ

   この子の七つのお祝いに おふだをおさめにまいります
   行きはよいよい帰りはつらい   こわいながらも通りゃんせ通りゃんせ

   


   かごめかごめ

   かごめかごめかごの中のとりは   いついつでやる

   夜明けのばんに つるとかめとすべった   後ろの正面だーれ



   ふじの山

   あたまを雲の上に出し   四方の山を見下ろして
   かみなりさまを下にきく   ふじは日本一の山

   青そら高くそびえたち   からだに雪のきものきて
   かすみのすそをとおくひく   ふじは日本一の山
   


   鯉のぼり

   いらかの波と 雲の波   重なる波の中空を
   橘かおる 朝風に   高く泳ぐや鯉のぼり

   開ける広きその口に   舟をも呑まん様見えて
   ゆたかに振う尾びれには   物に動ぜぬ姿あり

   もも瀬の滝を登りなば   たちまち竜になりぬべき
   わが身に似よやおのこ子と   空におどるや鯉のぼり



   

   松原遠く 消ゆるところ   白帆のかげは浮かぶ
   ほしなみ浜に高くして   かもめは低く波にとぶ
   見よ昼の海 見よ昼の海

   島山やみにしろきあたり いざり火 光あわし
   ある波岸にゆるくして   うら風かろくいさご吹く
   見よ昼の海 見よ昼の海
   




   冬の夜

   ともし火ちかく衣(きぬ)縫う母は   春の遊びの楽しさ語る
   居並ぶ子どもは指を折りつつ   日数かぞえて喜び勇む 
   いろり火はとろとろ外は吹雪

   いろりの端に 縄なう父は   過ぎしいくさの手柄を語る
   居並ぶ子どもはねむさをわすれて   耳をかたむけこぶしを握る
   いろり火はとろとろ外は吹雪
   


   もみじ

   秋の夕日に照る山もみじ   こいもうすいも数ある中に
   松をいろどる 楓や蔦は   山のふもとのすそもよう

   谷の流れに 散りゆくもみじ   波にゆられてはなれてよって
   赤や黄色の色さまざまに   水の上にもいるにしき

   水あそび

   水をたくさんくんできて   水てっぽうであそびましょう
   一、二、三、四 しゅっしゅっしゅう

   てるてる坊主

   てるてる坊主てる坊主   あした天気にしておくれ
   私の願いを聞いたなら   あまいお酒をたんとのます

   てるてる坊主てる坊主   あした天気にしておくれ
   それでもくもってないてたら   そなたの首をちょん切るぞ

   鞠と殿さま

   てんてん手鞠てん手鞠 てんてん手鞠のてがそれて
   どこからどこまでとんでった 垣根をこえて屋根こえて
   おもての道へとんでった とんでった

   おもての行列なんじゃいな 紀州の殿様お国入り
   金紋先箱ともぞろい おかごのそばにはひげやっこ
   毛槍をふりふり やっこらさのやっこらさ

   てん手鞠はてんころり はずんでおかごの屋根の上
   もしもし紀州のお殿さま あなたのお国はみかん山
   わたしに見させて下さいな くださいな

   おかごは行きます東海道 東海道は松並木
   とまりとまりで日が暮れて 一年たっても戻りゃせぬ
   三年たっても戻りやせぬ 戻りやせぬ

   てんてん手鞠は殿様に 抱かれてはるばる旅をして
   紀州はよい国日の光 山のみかんになったげな
   赤いにかんになったげな なったげな



   夕やけ小やけ

   夕やけ小やけで日が暮れて   山のお寺に鐘が鳴る
   おててつないで皆かえろ   烏と一緒に帰りましょう

   子どもが帰った後からは   丸い大きなお月様
   小鳥が夢を見る頃は   空にはキラキラ金の星
   


   仲よし小道

   仲よし小道はどこの道   いつも学校へみよちゃんと
   ランドセル背負って元気よくお歌をうたって通う道

   仲よし小道はうれしいな   いつもとなりのみよちゃんと
   にこにこあそびにかけてくる   なんなん菜の花 匂う道

   仲よし小道の小川には   とんとん板橋かけてある 
   仲良く並んで腰掛けて   お話するのよたのしいな

   仲よし小道の日暮れには   母さんお家でお呼びです
   さよさよならまた明日   お手手をふりふりしょうなら

   桜井の決別

   青葉茂れる桜井の   里のあたりの夕まぐれ
   この下影に 駒とめて   世の行く末をつくずくと
   偲ぶよろいの袖のえに   散るは涙かはた露か

   正成涙を打ち払い   我が子正行呼び寄せて
   父は兵庫におもむかん   かなたのうらにて討ち死にせん
   いまはここまで来つれども   とくとく帰れふるさとへ

   父上いかにのたもうの   見捨てまつりし我ひとり
   いかに帰らん帰られん   この正行は年こそは
   今だに若かれもろともに   御ともつかえぬ死出の旅

   今しおここより帰へざるは   私がわたしのためならず
   おのれの討ち死になさんには   世は尊氏のままならん
   早くおいたち大君に   つかえまつれよ国のため

   この一振りはいにしとて   君のたまいしものなるぞ
   この世のわかれの形見にと   いましにこれを贈りてん

   ゆけよ政行ふるさとへ   老いたる母の待ちまさん
   共に見送り見返りて   別れおしむおりからに

   わかのふりくるさみだれの   空に聞こゆるほととぎす
   だれかあわれと聞かざらん   あわれちになくその声を

   浦島太郎

   昔昔浦島は   助けた亀に連れられて
   龍宮城へ来てみれば   絵にもかけない美しさ

   乙姫様のごちそうに   鯛やひらめの舞い踊り
   ただ珍しくおもしろく   月日のたつのも夢の中

   遊びにあきて 気が付いて   おいともごひもそこそこに
   帰る途中の楽しみは   みやげにもらった玉手箱

   帰って見ればこはいかに   もといた村も家もなく
   道に行き会う人々は   顔も知らない者ばかり

   心細さに蓋とれば   あけてくやしさ玉手箱
   中からぱっと白けむり   たちまち太郎はおじいさん

   野 菊

   遠い山から吹いてくる   小寒い風にゆれながら
   気高く清く匂う花   きれいな野菊うすむらさきよ

   秋の日差しを浴びて飛ぶ   トンボをかるく休ませて
   しずかに咲いた野辺の花   やさしい野菊うすむらさきよ

   霜がおりてもまけないで   野原や山に群れて咲き
   秋のなごりをおしむ花   明るい野菊うすむらさきよ

   たき火

   垣根の垣根の曲がり角   たき火だたき火だ落ちばだき
   あたろうかあたろうよ   北風ピーピー吹いている

   さざんかさざんか咲いた道   たき火だたき火だ落ちばだき
   あたろうかあたろうよ   しもやけお手手がもうかゆい

   ころがしころがい寒い道   たき火だたき火だ落ちばだき
   あたろうかあたろうよ   相談しながら歩いていく

   お山のお猿

   お山のお猿は鞠がすき   とんとん鞠つきゃおどりだす
   ほんに お猿はどうけもの

   

   雨が降ります雨が降る   遊びにゆきたし傘はなし
   紅緒のかっこも緒が切れた

   雨が降ります雨が降る   いやでもお家であそびましょ
   千代紙おりましょ たたみましょ

   雨が降ります雨が降る   けんけん小雉がいま啼いた
   小雉も寒かろ さびしかろ

   雨が降ります雨が降る   お人形寝かせてまだ止まぬ
   お線香花火もみな炊いた

   青い目の人形

   青い目をしたお人形は   アメリカ生まれのセルロイド
   日本の港についたとき   いっぱい涙を浮かべてた

   わたしは言葉がわからない   迷子になったらなんとしょう
   やさしい日本の嬢ちゃんよ

   仲良く遊んでやっとくれ   仲良く遊んでやっとくれ

   七つの子

   烏 なぜ啼くの   烏は山に   可愛い七つの子があるからよ
   可愛い可愛いと烏は啼くの   可愛い可愛いと啼くんだよ

   山の古巣にいって見てごらん   丸い目をしたいい子だよ



   里の秋

   静かな静かな里の秋   お背戸に木の実が落ちる夜は
   ああ母さんとただ二人   栗の実煮てまずいろり端

   明るい明るい星の空   鳴き鳴き夜鴨の渡る夜は
   ああ父さんのあの笑顔   栗の実食べては思い出す

   さようならさようなら椰子の島   お舟にゆられて帰へられる
   ああ父さんご無事でと   今夜も母さんと祈ります
   


   みかんの花咲く丘

   みかんの花が咲いている   想い出の道丘の道
   はるかに見える青い海   お船が遠くかすんでる

   黒い煙をはきながら   お船はどこえ行くのでしょう
   波に揺られて島の影   汽笛がぼうと鳴りました

   いつか来た道母さんと   一緒にながめたあの島は
   今日も一人で見ていると   やさしい母さん思われる

   俵はごろごろ

   俵はごろごろお倉にどっさりこ   お米はどっさりこ
   チュウチュウねずみはにっこ
   お星様ぴっかりこ   夜のお空にぴっかりこ

   ふるさと

   うさぎ追いしかの山   小鮒釣りしかの川
   夢は今も巡りて   わすれがたきふるさと

   いかにいます父母   つつがなしや友がき
   雨に風につけても   思いいずるふるさと

   こころざしをはたして   いつの日にかかえらん
   山は青きふるさと   みずはきよきふるさと

   出 船

   こよい出船かおなごりおしや   くらい波間に雪が降る
   船は見えねどわかれのこうた   沖じゃかもめもなくぞいな

   今なる汽笛は出船の合図   無事で着いたら便りをくりゃれ
   くらいさみしい火影の元で   涙ながらによもおもの

   浜ちどり

   青い月夜の浜辺には   おやをさがして鳴く鳥が
   波の国から生まれ出る   ぬれたつばさの銀の色

   夜鳴く鳥のかなしさは   親を訪ねて海越えて
   月夜のくにえ消えてゆく   銀のつばさの浜千鳥



   月の砂漠

   月の砂漠をはるばると   旅の駱駝がゆきました
   金と銀との鞍置いて   二つ並んで行きました

   金の鞍には銀のかめ   銀の鞍には金のかめ
   二つのかめはそれぞれに    紐でむすんでありました

   さきの鞍には王子様   あとの鞍にはお姫様
   乗った二人はおそろいの   白い上着を着てました

   ひろい砂漠をひとすじに   二人はどこへゆくのでしょう
   おぼろにけぶる月の夜に   対の駱駝はとぼとぼと
   砂丘を越えて行きました   黙って越えてゆきました
   


   しかられて

   しかられてしかられて   あの子は町までおつかいに
   この子は坊やをねんねしな   ゆうべ寂しいむらはずれ
   コンと狐があー なきゃせぬかーあー

   しかられてしかられて   口にはださねど目になみだ
   二人のお里はあの山を   こえてあなたの花の村
   ほんに花見はいつのこと

   琵琶湖周航の歌

   我は海の子さすらいの   旅にしあればしみじみと
   昇るさぎりやさざ波の    滋賀の都よいざさらば

   松は緑に砂白き   雄松が里の処女子(おとめご)は
   赤い椿 森蔭に   はかない恋に泣くとかや



   船頭小唄

   おれは河原の枯れすすき   同じおまえも枯れすすき
   どうせ二人はこの世では   花の咲かない枯れすすき

   死ぬも生きるもねえお前   水の流れになに変ろ
   おれもお前も利根川の   船の船頭で暮らそうよ
   


   こきりこ節

   こきりこのお竹は七寸五分じゃ   長いは袖のかなかいじゃ
   窓のサンサもテデレコデン   はれのサンサもテデレコデン

   踊りたか踊れ泣く子をおこせ   ササラは窓の元にある
   窓のサンサもテデレコデン   はれのサンサもテデレコデン

   向かいの山をかつごとすれば   荷縄が切れてかつがれぬ
   窓のサンサもテデレコデン   はれのサンサもテデレコデン

 

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